短歌
乱太郎


五段の醤油団子と七段のあんこの団子の
櫛が五本並んであって
隠れた山葵入り団子を探してみる
こころにもないものは
不味いものだと教えてくれた先生は
いまはいない
和紙に乗っかって
上等なこの団子をお食べと誘われて
本当の美味さというものを知ろうとするが
なにぶん素人の味音痴
辛口はきっと山葵のせいだけではあるまいと
緑茶をすすって風も飲む
団子兄弟は煮ることも焼くことも出来ない
掴みどころの薄い連中だが
今日は目出度く捏ねられた目の前の串刺しを
君もいかがと
新聞紙に包んで差し出してみる



自由詩 短歌 Copyright 乱太郎 2015-07-01 16:16:47
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