雨の観察
はて

俯いて歩く帰途で雨が降り始めた

ぽつ ぽつ 

街灯近くで
白い線が
流れていく

また俯き歩き出した

ぽつ ぽつ

一つの雨粒は歩道に落ちて
街灯の光を映し返し
次第にその光は弱まる
光は消える

うずくまり次を待つ

アスファルトに落ちて
弾けて残った水が光る
光る水はさらに押しつぶされるように
広がり
ひかり
も広がり
暗い色に同化した

いくつか落ちた雨粒は
同じことを繰り返している

雨は次第に増えてきたから
立ち上がり相変わらず俯いて
きらきら増えていく中を歩き出した


自由詩 雨の観察 Copyright はて 2015-06-30 23:27:26
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