跳躍
そらの珊瑚

冷たい窓ガラスに
一匹のヤモリがいた
わたしとヤモリは
互いの存在を
ほんの一瞬で認め合う
空気がほんの少しだけ
動いた気がした
目が合ったのだよ
確かに
あの時

人間と虫
それを隔てているのは
一体何なのだろう
或いは
なにものも
隔ててはいないのかもしれない

彼は
全身の筋肉をぎゅっと縮めたのち
重力に挑み
伸びて
、跳んだ
赤い腹を見せながら
人間を
軽々と越えていく

ばっさりと胸がすくくらい
それは見事な生き様


自由詩 跳躍 Copyright そらの珊瑚 2015-06-29 11:56:54
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