夢の地図
服部 剛
遠い旅先の、見知らぬ街で
風に震える…痩せっぽちで
牙を向く、狼の哀しみ
暗雲に覆われた空を仰いでは
見知らぬ人々の靴音、行き交う
孤独な雑踏の
只中で
今日も独り、立ち尽くす
――探してた命のルーツは、何処にある…?
一滴の雨が頬に、落ちる
いつしかアスファルトには
無数の滴の輪が、弾ける
ぐっしょり濡れた、全身が
涙みたいな存在の
異郷に於ける、旅人の現在
ひとまずは、安宿に帰ろう
そうして布団に、包まろう
夢の中に広げる地図に
〇をしてゆく
印等が
点と、点を、結ぶ
地上の星座となるように