やかんとおばちゃん
宣井龍人

いつだか忘れるくらい昔のことだ
うたたねをしていたやかんは飛び上がった
お尻に大火傷を負い落っこちた
あららお水を入れ忘れた
それにしても駄目なやかんねえ
優しいおばちゃんは呟いた
無茶苦茶だ
それ以来やかんは物置で腹をすかしている
ブラウン管テレビやラジカセとにらめっこ
やかんは優しいおばちゃんを待っている
今日も電気ポットが逞しく湯気を吐く
優しいおばあちゃんはにこにこ微笑んだ


自由詩 やかんとおばちゃん Copyright 宣井龍人 2015-06-26 08:28:16
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