快速
Lucy
それでも時は流れていく
ゆっくりと
淀みなく
立ち止まる想いを押しのけ
焦る足元も
掬いあげ
鳴り響く発車のベルの音
口ごもる詩を
何度も試み
置き去りにされる記憶を
追いかけ
逆行する座席に
身をあずけ
快速なのに、途中から各駅停車になるという
くぐもった車内アナウンス
間に合わないと
ショートメールで連絡する
17分遅れます
17分どころではない
もう既に17年以上遅れ
何に追い付き
取り戻せるというのか
全力で駆け上がり
かけおりた跨線橋
飛び乗り
間に合った
17年遅れの
快速電車