快速
Lucy

それでも時は流れていく
ゆっくりと
淀みなく
立ち止まる想いを押しのけ
焦る足元も
掬いあげ

鳴り響く発車のベルの音
口ごもる詩を
何度も試み
置き去りにされる記憶を
追いかけ
逆行する座席に
身をあずけ
快速なのに、途中から各駅停車になるという
くぐもった車内アナウンス
間に合わないと
ショートメールで連絡する
17分遅れます

17分どころではない
もう既に17年以上遅れ
何に追い付き
取り戻せるというのか

全力で駆け上がり
かけおりた跨線橋
飛び乗り
間に合った
17年遅れの
快速電車





自由詩 快速 Copyright Lucy 2015-06-23 12:00:06
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