干菓子
青井


川の底で
石くれが削れていく

棚の奥で
干菓子が湿気っていく

人がまた
一つずつ年老いていく

失われていく何かを
今日もただ見守りながら


床の上で
米粒が乾いていく

箱の中で
葉書が色褪せていく

日々がまた
一歩ずつ遠のいていく

損なわれていく何かを
今日もただ見送りながら


自由詩 干菓子 Copyright 青井 2015-06-22 22:11:04
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