雨粒
葉leaf




雨粒が小さな花を咲かせては
微かな匂いとともに散っていく
この瞬時の花々は
大地のてのひらに握られ
次々と貴重な命を失っていく
これは供犠であろう
あるいは祭儀であろう
今日一日世界中で
破壊的な劇が均衡を保つため
いくつも捧げられているのだ
劇もまた華々しく散っていき
歴史の形成のために捧げられる
歴史はいつでも血を求めている
雨粒は何よりも私の比喩だ
私が生産したすべての命の比喩だ


自由詩 雨粒 Copyright 葉leaf 2015-06-21 06:40:13
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