この街の説話
吉岡ペペロ
街の血をすって雲がひかっていた
電話をしても
電車にのっても
まるいものを意味もわからず探していた
からだのちからを抜け
悔しくても
みじめでも
焼け石に水でも
遺されるものたちへ
理不尽が降りかかろうとも
文字にこめ
ぼくがこの街の説話をあつめてゆく
街の血をすって雲がひかっていた
電話をしても
電車にのっても
まるいものを意味もわからず探していた
自由詩
この街の説話
Copyright
吉岡ペペロ
2015-06-17 21:54:22