愛歌Ⅵ <悲しみが深いほど 美しい>
南無一


夕暮れ空に
吹く風は
悲しみの匂いがします

夕暮れ空に
吹く風が
洗いたての あなたの髪を 散らします

(匂い立つ 悲しみのかほり・・・)

夕暮れ空に
行く雲は
悲しみ色に 滲みます

夕暮れ空に
行く雲が
潤んだ あなたの瞳に 映ります

(生まれいずる 悲しみのつぶ・・・)

すっかり 陽が 沈んだあとも
しばらく そうして 見詰めている あなたの
すこしやつれた横顔に
しずかに 夜が 忍びよる

そんなあなたを 見て 思う
悲しみが深いほど 美しい と


自由詩 愛歌Ⅵ <悲しみが深いほど 美しい> Copyright 南無一 2015-06-15 22:24:50
notebook Home 戻る