愛歌Ⅲ <幸福という土地まで>
南無一


誰にだって
大切にしておきたいってもの
ひとつぐらいは あるさ
人から見れば とるに足らないと
言われてしまいそうだけど
そんなものを 抱え込んで
生きていこうと 思う

誰にだって
こいつに賭けてみようと思う
そんな女が
一人ぐらいは いるさ
一緒に生きていこうと決めたなら
精一杯 愛してみたいと 思う

これから先、いろんな苦しみや
いろんな辛さが
おまえのちいさな肩に のしかかって
くるだろう
だけど おまえに その覚悟があるなら
おれは おまえを 裏切ることだけは
けしてしないと 誓える

どんなに 暗く かなしい夜だとしても
かならず 朝は やって来るから
そしたら ちょっぴり冷たい 生まれ立ての大気を
胸いっぱい 吸い込んで
ひとつの大きな林檎を ふたりして 齧りあって
ひたすら まっすぐ 歩いていけば
きっと 
幸福という土地まで 辿り着けるだろう


自由詩 愛歌Ⅲ <幸福という土地まで> Copyright 南無一 2015-06-14 22:04:04
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