煙草とレモンスカッシュ
栗山透

そばにいることは
叶わなくなったのですから。
煙草とレモンスカッシュを
傍らに置いて作業をするわけです。
形にこだわるのは
どうか、とも思いました。
大切なのは気持ちで
モノを用意するだけで安心して
しまうのはどうなのか、と。
でも、此れしか出来ないのなら
此れを全うするしか
無いのです。
鳴いている猫には悪いけれど
この部屋は寒いし煙草の匂いもする。
永遠に。水は飲めない。
夜のまた先の、もっと昏い部屋で。
おやすみなさいお母さん。


自由詩 煙草とレモンスカッシュ Copyright 栗山透 2015-06-14 12:31:23
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