苛立ち
じぇいぞろ

ポケットの中で繋いだ
華奢な手が汗ばんでいる

コンビニの明るさに吸い寄せられるけど
欲しいものは売ってないない

君はバンドエイドを買う
何かをつなぎとめるため

意識がうつろぐので
小さな駅舎のベンチに座る

黒髪の分け目の皮膚が
ちらちらする蛍光灯と同じく白い

缶入りコーンスープの
最後の二粒がとれないと
ぴょんぴょん飛び跳ねる

君は柔らかくて温かい
シナプスはキレイなものだけ感受して
ふわふわクラゲみたいに浮遊する

ボクは強情で冷酷
VANSのスニーカーの下のアスファルトよりも
たぶん軽い脳梗塞を起こしている

バイパスにでるとキセノン球の残像が
理不尽な速度で追い抜いていく

君の大切なものってなに
「ふぉん」って大事そうに舌先にコーンをのせて微笑む
嫉妬して君の舌先からコーンを奪う

呵責もなく閉まったチェーン店の前を通る
職人の良心を搾取し
じゃがいもをポテトにした

ボクが魚雷を発射するから
君を爆破係に任命する
どーん!

あーエビバーガーが食べられないよ
甲殻類アレルギーだから関係ないよ

コウカクルイ?
かたいからのいきもの

工事現場のピンク色のサルが陽気に
立ち入り禁止の柵を持って誤魔化す

飼い犬の遠吠えには苛立つが
公平さは評価しよう

ボクは苛立ってばかりなのに
君はなんとも思っていない

君ん家の前まで来たよ
眠っている柔らかい腕に触れる



自由詩 苛立ち Copyright じぇいぞろ 2015-06-12 18:56:24
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