ゆめさき
はて
木漏れ日がばらばらと散らばっている公園のベンチに座り
一息
吐いて背もたれまでゆるく体を沿わせるように空を仰ぎ
目を閉じる
一群れの風が
ちゃんと網膜には光が届くようだ
さっきの青い光は色を無くして目蓋を通り過ぎてきた
風と共に
目蓋の裏では枝のリズムに合わせて明揺する光が
弾けたり萎んだりしている
一群れの波が体をすり抜けていった
背もたれから体を剥がしてから目を開いた
その間に色が戻った
目蓋の裏で最後に見たのは赤だった
波の終わりは赤に戻って来るものなのかもしれない
木漏れ日がばらばらと散らばっている公園のベンチから
一息
吐いてゆっくり体を離して歩き出した
揺りかごの余韻をしまい込んで