ゆめさき
はて

木漏れ日がばらばらと散らばっている公園のベンチに座り
一息
吐いて背もたれまでゆるく体を沿わせるように空を仰ぎ
目を閉じる


一群れの風が


ちゃんと網膜には光が届くようだ
さっきの青い光は色を無くして目蓋を通り過ぎてきた


風と共に


目蓋の裏では枝のリズムに合わせて明揺する光が
弾けたり萎んだりしている


一群れの波が体をすり抜けていった


背もたれから体を剥がしてから目を開いた
その間に色が戻った

目蓋の裏で最後に見たのは赤だった
波の終わりは赤に戻って来るものなのかもしれない


木漏れ日がばらばらと散らばっている公園のベンチから
一息
吐いてゆっくり体を離して歩き出した
揺りかごの余韻をしまい込んで


自由詩 ゆめさき Copyright はて 2015-06-11 02:15:03
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