若い自分へ
つよし


もし今死の宣告をされたなら
黙ってひとりにしてほしい
誰かがなにかを言ってくれても
私のこころに届かない

死の宣告をされたなら
あなたと私は違う場所
だから声も届かない

それでも私に与えたい
そんな稀有な人がいるならば
黙って側にいてほしい
私とは関係のない
いつもと変わらぬ日常を
綺麗なものだけ語ってほしい

死の匂いを感じさせず
綺麗なものだけを聞いていたい
どうせいつか死ぬのならば
綺麗事も許されたい

そしてとうとうそのときに
誰かがいるとするならば
そっとひとりにしてほしい
私と私にさよならするために
誰にも側にいないでほしい

こんな私の願望が
若いものだと笑うなら
今すぐ死んでしまいたい



自由詩 若い自分へ Copyright つよし 2015-06-10 22:25:52
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