詩人の赤
秋也
革命家の雄たけびが群衆を動かし世を変革させるように
音楽家が奏でる音で聴衆を静まらせ割れんばかりの拍手をさらうように
宗教家が祈りと自他不二の行動で圧倒的弱者に笑顔を与えるように
芸術家の魂が創作物によって国境を越えた人々に魂と遺伝子の揺さぶりを与えるように
私
個人
一人の
人として
生き永らえ
彼らのように
人の身と意識を保ち
赤く赤く時が魅せる夕焼け
ひたすらに美しく寂しい風景
瞬間でいいから勝りたいものだ
頭に浮かぶ言葉風景情念思想思いつき
綴り書き留めて誰かに見せたいやっかいな人種
ごくわずがながら詩人だから
詩人は今日も無意味を紡ぎ無意識を手探る
我
夕焼けに勝りたい
詩人なり