真夏
青井

いつから眠っていたのだろう
喉が渇いて目が覚めた
タイマーの切れた扇風機が
気難しそうに押し黙っている

枕にしていた右腕に
畳の跡と焼けつく痺れ
汗ばんだシャツの裾を振る
庭木の蔭から蝉の声

妻は自治会 息子はプール
咽せ返るような沈黙が
手狭な和室に腰をおろした
庇に隠れた入道雲

なんの夢を見ていたのだろう
心許無さを振り払い
麦茶を取りに立ちあがる
蚊取り線香が消えかけている


自由詩 真夏 Copyright 青井 2015-06-08 20:55:31
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