凍解〜午前三時
ヒヤシンス
午前三時 僕はあなたと海を聴いている。
二人は言葉もなくただ海を聴いている。
ただ失くした時間をお互い必死に埋めようとしている。
過去がゆっくりと波間に解けてゆく。
群青色の空に僕はゆっくりと煙を吹きかける。
あなたは海の遥か彼方 行かなくちゃと ただ。
こみ上げてくるものは 悲しみの色彩。
都会の空はそれでも広かった。
お互いの闇に消え入りそうなデッサン。
別々の生きがいを一つにしようとすれば
どこかで感じたようなキャンバスが赤く染まる。
必ず来ると信じている朝日はどうだ。
時間を超越し 季節の移ろいを恥じらう気持ちはどうだ。
発すると消えてしまいそうな午前三時。