遠足
たもつ
駅のホームで
卵が列車を待っている
やがて快速が到着すると
卵は意を決したかのように
勢いよく転がり
身投げをした
このことは明日の朝刊に
ダイヤの遅延情報とともに
小さく掲載されることだろう
それなのに
毎日キッチンで
卵焼きのために割られてる
無数の卵については
誰も話題にすることはない
まったく嫌な世の中になったものだ
そう歌いながら
子供らの遠足は
永遠に続く
自由詩
遠足
Copyright
たもつ
2015-05-28 22:19:18
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