働くということ
葉leaf




今日も俺は社会の中で機能して
機能の回転を続けたまま帰途についた
街はみんな俺の味方だ
働く車、働く店に、働く街灯・信号機
働くこと、役割を果たすことについて
みんな平等で親しい

星明かりも人の目の輝きも
イルミネーションや信号灯に等しく
木々のざわめきや風の音も
自動車のエンジン音や踏切の警音に等しい
自然も人工も分け隔てなく機能の連関の中に
大きな輪の中に連帯している
俺もまたひとつの機能として回転しながら大きな連帯のさ中へ

土星の輪のように高速で回転する連帯
帰りの電車は単純に速度として存在し
俺は速度に組み込まれることで労働の連帯を体感する
かっ飛ばしていく電車は俺そのものだ
移動とは絶えざる距離の克服であり
絶えざる困難の克服である働くことと
とてもよく似た変位の集積である


自由詩 働くということ Copyright 葉leaf 2015-05-27 06:45:11
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