ホップステップジャンプ
りゅうさん

仕事帰りのバスで
「ええ、話しかけなくていいですか」
と話している
あの中年の女性は
私を調べている興信所の人間ではなかろうか

大学のスクーリングにいた
角刈りの学生らしからぬ風貌の男は
警察のスパイだったのではなかろうか

ライブ会場で
毎回一席となりに座る
似たようなサラリーマン風の男性は
私を追いかける公安の刑事
かもしれない

と思えば何もかもが怪しい
家の中ですら私の姿は見られ
声は聴かれている
かもしれない

かもしれないから
たぶんそう
そうであるに違いない
の距離は驚くほど短い

壁に耳あり障子に目あり
古人の言葉に深遠なる響きを感じ
どちらにせよ詮無きこと
私の関知するところではない

誰恥じることのない立派な行いを
心がけるだけのことなのです




自由詩 ホップステップジャンプ Copyright りゅうさん 2015-05-22 16:26:19
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