雨の日のお迎え。
梓ゆい

昨晩の雨は雪へと変わり

昼過ぎには太陽にバトンを渡す。

帰宅した父を囲み

静かに語らう母と娘たち。

その手は何かを決意し

何かを覚悟するかのように

しっかりと握られている。

「今日は、誰がお父さんの側で眠る?」

母の問いかけに

黙って手を上げる妹二人。

その日の晩

雨よりも激しい泣き声が

家の中でこだました。


自由詩 雨の日のお迎え。 Copyright 梓ゆい 2015-05-21 01:40:37
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