出発A
やまうちあつし

細胞たちが目撃した。
貨物列車の荷台には
先住民族が座っていた。
主題歌を口ずさみ
夜明けの花に聞かせるつもり。
トーテムポールの先っぽを虹で濡らし
黒い小鳥の思い出を指で奪い
風のチューインガムを噛みながら
肉体へ降りてゆく。


自由詩 出発A Copyright やまうちあつし 2015-05-20 20:49:44
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