Engage Bracelet
竜野欠伸

彼女が弾く
クラシックピアノの旋律で
ジョン・レノンのImagineが
魔法のように何処からともなく
記憶として生まれて
再び消える

彩られるブーケを持って
一緒に写真を
撮ろうとしていた
昨日が少しずれ込んだけれど
彼女から僕宛てに
十数年ぶりぐらい
腕時計のプレゼントを貰う
日時計の代わりとなって
小さな太陽電池が半ば永久に
時刻を教えてくれる

最も細い秒針は
極めて微かに
燃えさかるプロミネンスのように
情熱を照らしてゆったり
回転しようとする
そして目立とうとするばかり
純白に輝くコロナに
包まれながら
腕時計の丸い窓のなかで
人生の伴侶との
大切な約束を察している

最も長い分針は
今と近未来のあいだを
少しだけ思慮深く測りながら
進もうとする
そして計算しようとするばかり
銀白色をしている硬いベルトが
彼女と僕を結んでいる絆のように
時刻はふたりの結婚を
とても切なく報せようとする

最も太い時針は
伴侶をしっかり
愛することのために
今を静かに伝え続ける
そして確かめようとするばかり
地球と月に神々しく
煌めく光を放つ
太陽の陽射しに
ささやかな祈りを
捧げている

たくさんの
小さな白い花々が
ずっと咲いていて
遠くまで広がる
花壇のように
果てしなく嬉しい

夕刻には彼女へ
Imagineの楽譜を贈る
結婚指輪を
真夏までに彼女へ届けるため
永遠と一瞬は
とても似ていることについて
解き明かしたので
叙事詩としてきっと書籍にしよう
ガリレオ・ガリレイの
望遠鏡に映し出された
太陽の黒点みたいに
耀く漆黒を描きながら

そっと箒星が
夜空を落ちるあいだに
曲想のある音色と
詩心のある言葉たちが
誓い合って深呼吸をしている
とても感謝をしながら
世界の始まりを告げる
処女の気持ちみたいに
舞曲を踊り続けて
まだ夢のなか深くでも




自由詩 Engage Bracelet Copyright 竜野欠伸 2015-05-20 13:26:19
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彼女に捧げる愛と感謝の詩集