花が飾られた隣の席
日々野いずる

興味なさそうな目
僕もたいして彼女を気にしなかった

でも
彼女
死んで

ふと
思う

葬式に行った帰り道

僕が話しかければ
彼女
死ななかったかもと
屋上からジャンプしなかったかもと

彼女
下の名前も知らない彼女
ちょっとのことで変わっていたかも、と

葬式の帰り道
そんな考えに囚われていた
夕陽がきつく目に刺さる
それも彼女はもう体験しないのだと
そう思った





お題:隣の席


自由詩 花が飾られた隣の席 Copyright 日々野いずる 2015-05-18 10:47:31
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