藤竹

君は白のクレヨンしか持っていない。
クレヨンケースは白一色。
他の色を持つことを嫌い、
ただただ白の美しさを好む。

白しか持たない君に、
僕は黒い紙を渡した。
君の白は光となった。
クレヨンケースに黒が加わった。

白しか持たない君に、
僕は青い紙を渡した。
君の白は雲となった。
クレヨンケースに青が加わった。

白が美しいのは黒があるから。
白が美しいのは青があるから。
混沌こそが世界であり、
君は他の色を認められるようになったんだね。


自由詩Copyright 藤竹 2015-05-17 22:02:52
notebook Home 戻る