炭酸リチウム
じぇいぞろ
元素記号のセメント原料で、しゅわしゅわはしない。
濃赤色の花火で、双極性障害に使用される主剤。
染色体にプリントされていた負の因子の所為。現代医学を以てしても、セメント花火を飲まされるのだ。
ショットガンで自殺したニルヴァーナのカート・コバーンが歌った?Lithium?への憧憬と死への衝動。
もうひとつのアイテムは、精神疾患の犯罪者がたいてい所持していたというサリンジャー。
とりあえず、ギターも壊していないし、エレベーターで靴を見つめていたと怒ってもいない。鏡はもっと見るべきかもしれない。
だから、いまのところ死んではいない。
月が明るい夜、屋上に上がれるビルを探して歩く、病んだだ青猫であり続けるか。
ジェットコースターをメリーゴーラウンドに変える闇魔術を選ぶか。同時に、平地を這うような永遠の絶望を享受するか。
生きていくには選択肢はなかったわけだが。
この先と考えて、
考えるのを止める。
喪失感を受容するしかないのだ。
波トタンの様に平板な感情で、ぺなぺな揺すぶられてそよぐしか術もなく。
軽石みたいに空いた脳からこぼれ落ちる記憶を、必死で抱えこんで立ちすくむ。
いずれ
硬化した骨は斎場の裏で、金槌でかち割られ、待望の空へと舞っていく。
その日は、晴れているといいな。