妹二人。
梓ゆい

くるくると回る提燈の灯りの元

笑ったように眠る父が居る。

父の横に座り

口元に耳を近づけて

微かに聞こえる寝息を聞いた1月15日の深夜。

父を挟んで布団を敷いた妹たちは

眠る時間さえ惜しむかのように

まだ暖かい首もとに

片手を忍ばせながら

二人で向き合い大声で泣いた。

「お父さん。お父さん。」と呼んで

抱っこをせがんだ幼い姉妹。

「お父さん。お父さん。」と呼んで

身体を支えた看護師の姉妹。

共に過ごし

大きな心と生きがいで成長を楽しみにした

大好きな大好きなお父さん。

眉間の皺は無くなって

静かな寝息で一人横たわる。





自由詩 妹二人。 Copyright 梓ゆい 2015-05-09 01:28:57
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