幸せは物足りない
宣井龍人
君は一杯着飾っていたね
着けるだけ飾るだけ幸せになれると
友達も言っていた
君には複雑な鮮やかな柄が似合う
肌着はもっと暖かい真っ赤が良いよ
もっともっと着飾った方が
君はいつも何かを探していた
いくら聞いても答えてくれない
たぶん君にもわからなかった
真冬のある日
君は言い出した
私には何も似合わない
私は何も欲しくない
君は夏でもないのに服を脱いだ
真っ赤な肌着は破れている
君は笑顔で走り出す
命を得た時
いつだか来た道
無と描いて永久と読む道
もういいだろうか
君を飾り付けた魔物を集めたよ
今日も静かに靡いている
探し物は何だろう