緋色の籠
草野春心



  緋色の籠は いつも
  夜がくるまで あなたの
  六畳の寝室に置かれていた
  房をなした影をひとつひとつ掻き分け
  大なり小なりの
  扉がついたところでしか
  きくことができない物語を
  わたしたちはよく 探したものだ
  


自由詩 緋色の籠 Copyright 草野春心 2015-05-04 22:16:56
notebook Home 戻る