「自称詩」危険領域
花形新次

タマキンに話し掛けるのを
日課としている
私とタマキンとの
関係を円滑にするために
必要なことだからだ

数年前
私が卒業した小学校で
女教師が生徒に
水槽の金魚に
毎朝挨拶することを
強要するという
問題が発覚した
「金魚様、おはようございます」
と言わないと
廊下に立たされたらしい
今、女教師は
夜店で、リハビリを兼ねた
金魚すくいのアルバイトをしながら
社会復帰を目指している

貴女にタマキンへの挨拶を
強要するようになったら
私も危険領域に
突入したと思って欲しい




自由詩 「自称詩」危険領域 Copyright 花形新次 2015-05-04 12:55:05
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