君に触れるということ
かんな



木々があいする木漏れ日のこと
川がめでるせせらぎのこと

雨が求めるつちの渇きのこと
太陽がほしがる水溜まりのこと

夕日があこがれる水平線のこと
朝陽がのぞむ暗やみのこと

日常が溶けたい奇跡のこと
偶然が出会いたい必然のこと

ため息が見つめる深呼吸のこと
足跡が探し求める影法師のこと

いつかが忘れない約束のこと
もしもが見定める明日のこと

冬枯れが抱きしめたい春咲きのこと
季節が届けたい時間の流れのこと

誰かが求める生への執着のこと
可能性が走り出した定めまでのこと

やさしさが重ねたいさみしさのこと
葉のしずくが教えたい涙を流すこと

あたたかさが静かに恋する春風のこと
君が焦がれる私の温もりのこと

私が君に触れるということ







自由詩 君に触れるということ Copyright かんな 2015-04-30 03:43:03縦
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