君に触れるということ
かんな
木々があいする木漏れ日のこと
川がめでるせせらぎのこと
雨が求めるつちの渇きのこと
太陽がほしがる水溜まりのこと
夕日があこがれる水平線のこと
朝陽がのぞむ暗やみのこと
日常が溶けたい奇跡のこと
偶然が出会いたい必然のこと
ため息が見つめる深呼吸のこと
足跡が探し求める影法師のこと
いつかが忘れない約束のこと
もしもが見定める明日のこと
冬枯れが抱きしめたい春咲きのこと
季節が届けたい時間の流れのこと
誰かが求める生への執着のこと
可能性が走り出した定めまでのこと
やさしさが重ねたいさみしさのこと
葉のしずくが教えたい涙を流すこと
あたたかさが静かに恋する春風のこと
君が焦がれる私の温もりのこと
私が君に触れるということ