世界は二度
mizunomadoka

ないものを
あることにする

あるものを
ないことにする

私たち姉妹は嘘つきだった

なんでも切れるナイフのように
いつも嘘を手に持っていた姉

風船のように嘘をつき続ける私

「息を止めて飲んだ飴玉は
 とけないままお腹にたまるのよ」

「姉は命を落としたの
 私を助けようとして」

「あなたのことがすきよ」

「そのまま寝てて
 ホットチョコレートを買ってくるわ」






自由詩 世界は二度 Copyright mizunomadoka 2015-04-29 18:32:38
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