君に触れるということ/即興ゴルコンダ(仮)投稿.31
こうだたけみ

ざらりとした皮ペロリと剥ける薄い茶と濃い茶のまだら色して餌をつつくよに掠め取るおちょぼ口は肝まで美味なのカワハギ

固くて小さな鱗は指のはらに刺さるくらい剥いでも剥いでもなくならないから出汁はよく濾してねって淡いピンクグラデの鯛

ぬるりと水底から見上げるつぶらな瞳を頭にのせてヒレは薄く扇状に開く天婦羅にするのが江戸っ子流のちょいと泥臭いハゼ

鎧みたいな体は太古の時代からだって背骨代わりに脊柱を持つ謎の魚シーラカンスまたは一回りの長い春の魚の君とつなぐ手


自由詩 君に触れるということ/即興ゴルコンダ(仮)投稿.31 Copyright こうだたけみ 2015-04-29 01:01:19
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