帰り道
番田 


私は昔家に帰るとすぐに寝ていた
高校生の頃だった
学校から帰ってきて そして
疲れた体でフトンに入るとよく眠れた
雨戸を閉めたこともある

窓に西日が沈んでいく部屋
私は 寝ても何の夢も見なかった
気の進まない学校での交友関係はいくらか殺伐としていた
あまり 人に好かれる方ではない
そんな私自身の性格に もう すでに気づいていた

将来に何の希望も持つことのできない成績に
田舎町の寂しい商店街を通り過ぎる 私の背中に当たる夕日
私は よく そのまま釣り道具屋に足を進めた
何を買うというわけでもなく
そこにある 美しい色や形のルアーを見ていた
外国から来た かわいい形のルアーに興奮を覚えた
そして 私はドアーを開けて なすすべもなく 家に帰った



自由詩 帰り道 Copyright 番田  2015-04-28 00:19:42
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