白い紙の上でダンスをする二人
またたび八寸


夜に思い出すことを
朝起きると忘れている

白い紙の上でダンスをする二人

余白は広がり続ける

指差す方へ
頭を向けて僕らは回転していく

ステップに次ぐステップ

夢のよう夢

映画館の片隅や川の半ばに
僕らはいつも存在していた
或いはアパートの一室や
公園の遊具の上で
電車の窓際で
僕らは溜め息を落とし
手を振り微笑んだりしていた

そうして
誰もいない舞踏会
白い紙の上でダンスをする二人

広がり続ける余白

夜になれば目を瞑り
ささやかな暗闇に落下していく
その速度

僕らは肩を並べて朝を迎える
ファンファーレが鳴る光の中で
指差す方へくるくると回転をし始める



自由詩 白い紙の上でダンスをする二人 Copyright またたび八寸 2015-04-27 23:23:41
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