蚓
たいら
春の日差しに誘われて
暗い地中から顔を出す
暖かいな、気持ちいいな
少し遠くへ行こうかな
花よ、君は美しい
鳥よ、僕を食べないで
風よ、君は自由だね
月よ、陽よ、照らしておくれ
土を食らい
糞をひり出すだけの生はお終い
僕も自由に生きたい
鳥や人は怖いけど
ふと気付く
焼け付く痛みと焦げた臭い
アスファルトが僕を焼く臭い
身を焦がし
命を燃やして何処へ行く
何処へ行けるというのだろう
春の日差しは容赦無く
優しく降り注ぐ。
自由詩
蚓
Copyright
たいら
2015-04-26 08:28:23