八重よ、八重
夏美かをる
八重よ、八重、
お前はどこからやってきた?
海の向こうの和の国の
家族がお前も恋しいか?
八重よ、八重、
お前はいつからそこにいる?
出逢った時からお互いに
白髪も相当溜めてきた
八重よ、八重、
お前は何を見つめてる?
か弱いこの子の行く末を
共に案じてくれるのか?
八重よ、八重、
お前は何を感じてる?
大枝ばっさり切られても
薄紅の涙こぼすだけ
八重よ、八重、
お前はいつまでそこにいる?
最期の花びら散らすまで
耐えて忍んで踏ん張って
八重よ、八重、
お前は何か言いたいか?
きっとなんにも言いたかない
ただ‘在る’ことが意志だから