まなざし
中村葵
ふとした瞬間に既視感
溺れるような甘い苦しみ
前にも同じ思いをどこかで
どうしようもなくあたたかく
溢れてくる光の粒と
かなしいという言葉そのままに
揺れる水面と滴る雫
あなたの瞳に僕が映り
僕が僕を見つめ
この場所に今、僕がいる
ずいぶん前の記憶の誰か
君もそんな顔をしないで
あなたの表情は優しいけれど
映る僕の顔も穏やかだけれど
永久に交わらない愛しさを
眼差しが告げている
自由詩
まなざし
Copyright
中村葵
2015-04-26 00:19:43