見られない桜
日々野いずる

桜にたとえ葉が乗っても
それを気にせず宴会に精を出す
乾杯の音頭を取りごきげんに飲み干す

自然の季節は過ぎれども
人間が良しとするならば
そこには満開の桜があるのだ

風に耐え切れず桜吹雪
その花びらが酒杯に入ったと喜び
縁起がいいと盛り上がる
暢気な陽気を併せ持つ
葉桜の下の宴会は滑稽のようで

人の頭に満開の良い桜だったと記憶される
どのようでもいいならと安心し
遊びのある姿を見せてくる季節

春に紅葉
秋に桜

その遊びの中で生きる私たち
何も見ず遊びを助長さす私たち
新しい季節が散っていく




お題:葉桜


自由詩 見られない桜 Copyright 日々野いずる 2015-04-24 16:22:13
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