春
吉岡ペペロ
地方都市の春が好きだ
雑駁な緑たちが
蔓延ってゆくさまが好きだ
世界が桜の花から解放されて
自由な死体のように日を浴びている
だだっ広い街道に地元の店舗
低い建物が空をでっかく見せている
なんかちがうなんかちがう
伸び伸びとぐだぐだと
環境不可避な季節のように
ほぐれてゆくまで生きてゆくようだ
都会の春は桜から解放されても
コンクリートにしてやられている
車でじぶんを迎えに行く
みんな服を着て歩いている
コンビニまで数メートルを歩いてゆく
都会の春が整然と緑を噴かせている
地方都市の春が好きだ
雑駁な緑たちが
蔓延ってゆくさまが好きだ
世界が桜の花から解放されて
自由な死体のように日を浴びている
だだっ広い街道に地元の店舗
低い建物が空をでっかく見せている
なんかちがうなんかちがう
伸び伸びとぐだぐだと
環境不可避な季節のように
ほぐれてゆくまで生きてゆくようだ