ひとつ よろづ
木立 悟






仕草から仕草に至る息ひとつ



どこまでも切れないはさみ似合う指



光には到かぬ剣を闇に植え



治っても傷つく場所は同じ場所



数秒の永い夢路に腹が減り



咲かぬなら放っておこう人でなし



迷宮と迷路つないで蛇腹かな



真昼にも午後にも夜の夢ばかり



花としか書けぬ花たち降りやまず



夜の窓あけてもあけても夜の窓



かすみゆく七の季節を廻す腕



夜の手を合わせて何も無いわたし



けだものが呑むけだもの夜やほよろづ




















川柳 ひとつ よろづ Copyright 木立 悟 2015-04-17 11:14:02
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