葉leaf




何もかも
原則的に敵だから
僕は今日も肩で風を切って歩く
すると思いもかけない温かい風が吹いてきて
僕にあいさつするものだから
戸惑いながらもあいさつを返すと
風は微笑みながら去っていった

何もかも
原則的に敵だから
僕は今日も目をいからせて歩く
すると思いもかけない美しい花が咲いていて
僕の手の中に落ちるものだから
戸惑いながらもそっと包むと
花は僕をかぐわしい香りでいっぱいにした

何もかも
原則的に敵だから
僕は今日もすべてをにらみつけながら歩く
すると昔の恋人とふと出くわして
あなたのことがまだ好きですというものだから
戸惑いながらも思い出話をすると
かつての親しい同士に戻った

何もかも
原則的に敵だけれど
ものによっては
例外的に味方である
だがもちろん
例外に頼ることも甘えることもできない
原則の厳しさの前で独り
どこまでも立ち尽くしていけ
どこまでも知り尽くしていけ


自由詩Copyright 葉leaf 2015-04-16 03:35:06
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