ハルだゾウだ
ただのみきや

距離が捲れて
ゾウたち湧き返る
餌をやる手が喰いつかれ
餌になる
くらいなら
喰ワネバナルマイ!

何も売りはしない日
うららかうららか 
うるおうか
鼻も耳も牙もなくした
ゾウが
十時のコンビニで刺された
立ち読みしたかったはず
ゾウは
砂のトイレが嫌いで
ゾウは
膀胱炎だ
透明な歩行器を頼りに
ゾウは
失くした鼻を捜した
かった
けど
初めから無
かった
といまでは思っている

手垢をおとそう

コトバ
   ではなく
       おのれの
           シ語色メガネから

鼻歌喉歌ミミズとハモって
もくれんふくらんだ
ぼんやりしゃれこうべ
ハルはすけすけだ
ゾウたちはだかだ



             《ハルだゾウだ:2015年4月15日》






自由詩 ハルだゾウだ Copyright ただのみきや 2015-04-15 21:36:14
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