ただのみきや

生まれたての心臓が
黒い樹木の網を逃れ
薄曇りの頬を染めながら
眩さを増して往く
震える瞼の隙間
扇ひらいて
火の海
潜る魚のよう
夜女は身をひそめる
ちりぬるゆめごを
泥の小舟に託して



          《朝:2015年4月14日》







自由詩Copyright ただのみきや 2015-04-15 21:34:18
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