たべもの。
沢田萠志

真夏
焼け焦げた鉄板は
室外機の上
目玉焼きを太陽光で焼いて
洗濯物の
フレーバー
ケチャップよりも塩派だから

夜の残りのお酒が回っていて
視界は良い気持ち
ゴディバをくれた先輩を思い出す
お砂糖のないカフェオレ
レモン齧って
袖の無い服を着る

日はまた昇るの間に
ベーコン挟んだ
パンプスのヒモが取れたから
裸足で隣の屋根まで飛び乗ろう
ピアノ弾くみたいに
まばたきを繰り返した
呪いみたいにちらつくのは冷ややかな視線

アボガド食べても女子力だから
胡桃の入ったサラダ作りましょう
奥歯がすりつぶす香ばしさ
レジの横で売れ残る
苦い
チョコレート味の包み紙
鉄柵の上から転がり落ちた

くしゃみと涙
胡椒少々、かけました


自由詩 たべもの。 Copyright 沢田萠志 2015-04-14 01:37:05
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