春涙餞
唐草フウ


もう
春は流れだしていた
斜めからすべりこむ、頬に風
雨の音をまちわびて 鼓動たち

命は生えかわらない
もとにももどれない
遅すぎたのかもしれない
人並み 足どり
たちのぼる 愛と戸惑い
微かに わらう
どうしてだろう
まだ思い出すまでには到れない


晴れた日の夕日の時間 延びるから好きになる
泣きたいような 甘い安堵
さよなら
ありがとう
流れてこみ上げる 春がそばにいる











自由詩 春涙餞 Copyright 唐草フウ 2015-04-12 20:38:51
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