瑞雪
黒木アン

―瑞雪―


季(とき)それて花道に白々と瑞雪
菜の花を潰さぬように撫で落ちて
花風の隙間から敷き桜になるはなびら
ひらりはらりと

散り急いだのは
心根白く多くの支え万物良縁頂けますお人にと
雪日に産声をあげました
母さんの祝いなの

ましろにしたのは
天翔る若い血に文目わからぬ世にならぬようにと
母さんの願いなの

祝い入学青年への入口にたつ
君のいでたちは純白からの足跡
桜唐草
雪輪の文を
帯にして


*…桜唐草、雪輪は着物の文様


自由詩 瑞雪 Copyright 黒木アン 2015-04-10 13:31:44
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