アメリカ人の激励
チカモチ
職場でこじんまりとした飲み会があったので参加してきました。
産休中のアメリカ人女性も来てくれました。隣の席に座っていたので旦那さんの話やら何やらを聞いていたのですが、事実よりも考え方や自国の文化について重きを置いた話のほうが多かった気がします。「旦那はカメラマンをしているけど仕事があまりないから年収は私の半分。でもその代わり家事を全部引き受けてくれるから、それでいい。私は家事ができない。得意なことを得意な人がやればいい。アメリカではそういうのは普通。」といった具合に。
そういう抽象的な話から発展して、将来の夢の話になりました。彼女の旦那さんはアンコールワット等、世界の美しい風景をできるだけたくさん撮ることが夢のようです。あなたの夢は? と聞かれたので、小説を書くことだ、と答えました。続けてテーマを聞かれたので、アダルトチルドレンにスポットを当てた作品で、そういう苦しみに苛まれている子どもの救いになるようなもの、と答えました。アダルトチルドレンは知っている? と聞くと、何となくわかると彼女は答えました。たぶんそんな現象は日本だけだよね。アメリカの家族は円満そうだからそんな悩みはなさそうじゃない? と尋ねると、彼女はそんなことはない、アメリカでも問題を抱えている家庭はたくさんある。私は逆に日本の家庭は問題なくやれているのかと思っていた。そういう問題はたぶん世界共通であると思う、と答えました。
さらに彼女はこんなことを言ってくれました。
世界共通である問題だから、小説のテーマとしてとてもいいと思う。もしあなたが小説を書いたら、私ともう一人のアメリカ人で英語に翻訳してあげる。そうすれば世界中の人に読まれる可能性が出てくる。少なくとも、今のフロアにいる人たちはあなたの小説を興味津々で読んでくれると思う。
気持ちが明るくなっていくのを感じました。言葉ってすごい。こんなに力を与えてくれるものなのか。
この手の話をして手ごたえを感じたためしがありません。一方的に喋り「すごいね」と返されて終わることしかなかったので、こんなに話を広げてくれるコメントは衝撃的でした。
思うに欧米人ってこういう話をするのに慣れているんでしょうね。日本はそういう習慣はほとんど定着していないけれど、欧米人は個人的に成し遂げたい夢を考え、語り合う文化がたぶん根付いているのでしょう。
こういうときに欧米人ってうらやましいなと強く感じます。酒の席でそんなことで盛り上がれたら最高に楽しいだろうなぁ。
ちなみにアメリカ人女性の夢は、日本で日本人向けの手話の学校を開くことだそうです。